地下鉄。
あなたは、この言葉を聞いてどういったイメージを持ちますか?
そう、簡単ですよね。
地面の下を鉄道が走っているから「地下鉄」と呼んでいるのです。
当たり前の話です。
しかし、大阪には不思議な場所もあるものです。
なんと、地上を走っている鉄道(しかも高架)の上を走る地下鉄が存在しているのです。
これは一体どういうことなのでしょうか?
地下鉄中央線の弁天町駅
大阪には「弁天町」という、そこそこ有名な駅があります。
2014年頃までは、駅の近くには「鉄道博物館」が存在して賑わっていました。(2019年5月現在において、鉄道博物館は、京都に移転しています。)
この弁天町駅には、JR大阪環状線と地下鉄中央線という2つの路線が連絡しています。
今回のテーマの主役となるのは、このうち、地下鉄中央線の弁天町駅になります。
まず、JR大阪環状線は高架を走っています。
簡単に言うと、高いところ(2階)を走っているイメージです。
そして、その高架のさらに上に、地下鉄中央線が交差しており、そこに地下鉄弁天町駅が存在しているのです。
つまり、地下鉄中央線の弁天町駅は、3階にあるイメージです。
地下鉄弁天町駅は、地下鉄なのに、地上3階にあるという、実に不思議な構造をしているのです。
なぜ、このようないびつな構造になってしまったのでしょうか?
大阪エリア独特の地質的な事情
地下鉄弁天町駅が高いところにある理由。
それは簡単なものでした。
弁天町を含むこのエリアは、もともと埋立地であったため、地盤が緩いのです。
地下鉄を掘ったとしても、地盤沈下のリスクがあったのです。
台風による水害リスクも同様です。
そこで、地下鉄とはいえ、弁天町付近の区間は地上(高架)を走ることになっているわけです。
京セラドームで禁止されている”あること”
突然ですが、あなたは京セラドーム大阪(ドーム球場)に行ったことがありますか?
ここでは、普通に、プロ野球や催し物が行われていますが、他の球場ではありえない禁止事項があります。
なんと、ジャンプしてはいけないことになっているです。
もし、ジャンプすると、ドーム球場近くの地盤が弱いため、震度3程度の揺れが発生するため、ジャンプは禁止されているのです。
地下鉄弁天町駅が高いところに設置されていることも、京セラドーム大阪でジャンプしてはいけないことも、どちらも同じ理由によるものでした。
今後、大阪の西地区・ベイエリアは、大阪万博などで盛り上がってくると予想されます。
地盤だけはどうすることもできませんが、知恵を絞って、安全だけは確保される街になってほしいと思います。