大阪から姿を消した2つの巨大予備校とは一体?

私は45年間、大阪の街で暮らしています。

私が学生の頃、大阪にはあちこちに大きな予備校がありました。

しかし、現在はどうでしょう。

あの頃、確かに繁栄していた予備校が、確実に姿を消していっているのです。

一体、何が起こっているのでしょうか?

なんば・十三にあった大阪予備校・大阪北予備校はどこに?

ダイヨビ・キタヨビ。

大阪予備校と大阪北予備校の愛称です。

私と同じ、団塊ジュニア世代で、大阪にずっと住んでいる人であれば、ほとんどの人が聞いたことはあるのではないでしょうか。

大阪北予備校は十三駅の東側、大阪予備校はなんば駅の南側に存在していました。

ダイヨビ・キタヨビでは、予備校としては珍しいクラス制度・チューター制度を導入していました。

小テストなども盛んで、出欠を厳しく確認するなど、高校の延長上というイメージが強く、高校4年生校舎とも言われていました。

年越しの大晦日自習室での勉強なども、ダイヨビ・キタヨビの風物詩でした。

文字通り、関西での知名度は抜群でした。

京都大学・大阪大学・神戸大学・大阪市立大学・大阪府立大学などの難関国公立大学をはじめ、同志社大学・立命館大学・関西学院大学・関西大学などの名門私立大学へも、数多くの合格者を輩出していました。

しかし、2000年代に入り、少子化や大学全入時代の流れには逆らえず、生徒数も激減。

2005年には大阪予備校、2006年には大阪北予備校が廃校となりました。

現在、大阪予備校・大阪北予備校の跡地には、どちらも、何事もなかったように、マンションが建てられています。

江坂にあった代々木ゼミナール大阪校はどこに?

大阪で代ゼミといえば、江坂でした。

その後、湊町駅前(現JR難波駅前)に大阪南校ができ、今も存続していますが、当時は江坂が本部的な扱いでした。

地下には食堂、1階には書店、2階にはデータ室、上階にも数多くの自習室を備え、浪人生にとっては、とてもいい環境でした。

90年代は、駿台・河合塾と並び、3大予備校のひとつでしたが、どちらかといえば、私立文系型の講義が多かった気がします。

”講師陣の代ゼミ”

と言われたほど、個性的な講師も多く、楽しい授業も多かったような気がします。

校舎も大きく、いつの時代になっても、江坂の代ゼミは、つぶれることはないと思っていました。

しかし、2015年、私の知っている代ゼミ大阪校は、まさかの廃校となってしまいました。

もうすでに、校舎は解体され、代ゼミ大阪校の跡地には、大型ビルが建設されています。

予備校が減った理由

巨大な予備校が消えた理由としては、少子化による経営不振によるところが大きいのでしょう。

しかし、もう一点、思い当たることがあります。

「浪人比率」です。

90年代は3人に1人が浪人していましたが、最近は8人に1人しか浪人しないそうです。

「自分が合格できそうな大学に現役で進学したい」

という、受験生の安全志向心理も、予備校の経営に影響しているものと思われます。

予備校の収入源は、浪人生の全科履修生だと思われますので…。

現在、生き残っている予備校も、時代の流れに負けることなく、資格取得に励む社会人をとりこむなど、なんとか生き残りを図ってもらいたいと思います。