昔、私は、淀川の近くに住んでいました。
梅田に通勤する時には、電車もいいですが、雨の日や荷物の多い日は、バスという方法もありました。
その頃、自分は使ったことがない路線でしたが、よく見かけるバスの行き先で
「井高野車庫前行き」
という表示がありました。
どこに車庫があるんだろう?
と少しだけ気になっていましたが、その頃は、特にアクションを起こすことはありませんでした。
今里筋線の開業
2000年代後半、大阪の地下鉄として「今里筋線」が開業しました。
今里筋線は、大阪市東成区の今里駅から大阪市東淀川区の井高野駅を結ぶ路線になります。
電車のイメージカラーはゴールデンオレンジです。
正直なところ、混雑していることは殆どないため、大阪市営地下鉄の中では、かなりの赤字路線となっているのではないかと思われます。
そして、注目すべきは、今里筋線の北側の終点「井高野駅」でした。
それは、どこかで見たことのある文字でした。
鉄道や路線バスの終点であるにもかかわらず、大阪歴46年の私が行ったことのない場所「井高野」。
私だけでなく、大阪に住んでいる人でも、行ったことのある人は、それほど多くはないのではないでしょうか。
井高野地区とは、一体どういった場所なのか、実際に、現地に足を運んでみました。
井高野地区とは?
井高野地区は、大阪市の最北端に位置しています。
ギリギリ大阪市に含まれる場所に立地しているといっても過言ではありません。
今里筋線で井高野駅を降りてみると、そこは、普通の駅とは雰囲気が全く異なっていました。
大阪市内の駅であるにもかかわらず、駅前には、めぼしいお店はなく、コンビニすら見つからないのです。
見えるのは、シャッターの閉まったお店のような古い建物と、5階建ての市営住宅ばかりでした。
市営住宅とはいっても、千里ニュータウンや泉北ニュータウンの団地とは少し雰囲気が異なっていました。
高齢化しているのは同様ですが、外国人比率が高そうな気がしました。実際、何人か中国系の人が歩いているのを見かけました。
場所も大阪市内ですし、昨今のインバウンド化によって、チャイナタウンと化しているのが容易に分かりました。
「ひったくりをやめよう」とか「侵入禁止」とか、治安の悪さを物語っているポスターや張り紙も多々見受けられました。
子供を育てたりする場合は、あまりおススメできない環境なのかもしれません。
冒頭、話していた、井高野車庫前というバス停も、井高野駅から少し北に離れた場所に存在していました。
結構、大きなバス営業所がありますので、地元の人は、今里筋線という電車よりも、バスを活用することが多いのでしょうか。
大阪市内にあるにもかかわらず、どことなく、明るい大阪のイメージとはかけ離れた井高野地区。
現時点で、治安はいいようには見えませんが、ベッドタウンとして機能していることは確かです。
今後の再開発や、治安の改善を期待します。