阪急梅田駅を起点とする路線といえば、神戸線、宝塚線、京都線の3つが有名ですよね。
中津駅を経て、十三駅までは、3つの路線が並行して、淀川を通過していきます。
これは誰でも知っていることだと思います。
しかし、その昔、淀川を通過しない、もうひとつの路線が存在していたのをご存知でしょうか?
しかも、その路線は、日本で最も短い短距離区間の記録をもつ路面電車だったというのです。
阪急北野線とは?
日本一、最も短い区間を走る路面電車…
それは、阪急北野線になります。
阪急北野線とは、阪急梅田駅から、淀川南側の北野駅までを結んでいた、およそ800mの短距離路線になります。
北野支線または大阪市内線と呼ばれていたようです。
梅田駅、茶屋町駅、北野駅の3つの駅で構成されており、所要時間は5分でした。
阪急北野線は、1910年(明治43年)、阪急宝塚線の一部として、開業します。
梅田駅から、北野駅を経て、宝塚駅へと、つながっていたようです。
その後、阪急電鉄は、1926年(大正15年)に、宝塚線と神戸線を分離・高架化し、中津駅を開設します。
中津駅ができることによって、地上に残った北野駅、茶屋町駅、梅田駅のみを分離独立して営業を開始することになります。
しかし、戦後は、乗客数が激減したこともあり、1949年(昭和24年)、阪急北野線は休止を余儀なくされます。
そして、1959年(昭和34年)、阪急京都線の梅田駅と十三駅の延伸に伴い、北野線のスペースに高架橋を設置され、北野線は復活とされながらも、事実上の廃線となってしまうのです。
阪急北野線の跡地
地上を走っていたとされる阪急北野線ですが、現在はどうなっているのでしょう?
阪急梅田駅の北側、阪急の線路沿いに、阪急電鉄本社があります。
阪急三番街から、簡単に歩いて行ける場所です。
この道沿いに、歩いて行きます。
高架下の阪急かっぱ横丁の入り口付近、アーバンテラス茶屋町前あたりに、茶屋町駅があったと言われています。
高架に沿って、さらに歩いて行くと、阪急電鉄本社ビルの前に、阪神バスの北野停留所があります。
この付近が、阪急北野線の終点、阪急北野駅があったとされています。
こんな大都会の一等地にも、廃線となっていた路線があったとは…。
奥深いですね。