私は今、南海なんば駅の横、なんばパークス近くの喫茶店で、この記事を書いています。
なんば駅周辺は、多くの人で賑わう、とても華やかな街です。
お洒落なお店も増え、一時期よりも、女性や外国人がとても増えているように見えます。
ところが、かつて、この場所に、巨大な球場が存在していたことをご存知でしょうか。
私の記憶の中では、未だに、この南海なんば駅の風景の中の大きな球場が消えないのです。
大阪球場の概要
なんばから消えた球場…
それは「大阪球場」です。
かつて、大阪球場は、大阪第2の都市である南海なんば駅の駅前の一等地にそびえ立っていました。
晩にはナイターの明かりがいつも照らされており、多数の観客とともに、賑わいを見せていました。
電車からもその光景を眺めることができました。
大阪球場は、私が初めて野球を観に行った球場でもありました。
南海ホークス(現在の福岡ソフトバンクホークス)の本拠地でした。
他にも、当時は、
・甲子園の阪神タイガース
・藤井寺の近鉄バッファローズ
・西宮の阪急ブレーブス
…と、大阪の私鉄はプロ野球の球団所有で大盛り上がりでした。
大阪球場は、一層式で、一階スタンドのみの構造でした。
そこまで広い敷地ではない所であるにもかかわらず、3万人を超える収容のスタンドでした。
このため、とても急斜面のすり鉢状の球場としても有名でした。
あと、野球観戦だけでなく、大阪球場の場外に存在していたスケートリンクやボーリング場、古書街にもよくお世話になりました。
しかし、1988年にホークスがダイエーに買収された後は、大阪球場は衰退の道をたどることになります。
大阪球場は、近鉄が年に数試合主催試合を行うのみの施設となりました。
野球場としての機能がなくなってからも、長らく球場は解体されずに、住宅展示場として活用されていました。
スタンドはそのままでありながらフィールドには何軒もの住宅が並ぶというなんとも異様な光景が長い間続いたのです。
似たような時期に、なんば周辺の象徴的施設であった吉本興業の「なんば花月」も閉館。
現在の「なんばグランド花月」に生まれ変わった記憶があります。
最終的に、大阪球場は1998年に解体され、跡地には2003年になんばパークスという商業施設が建設されました。
…と同時に、スケートリンクやボーリング場といった施設も姿を消しました。
現在の大阪球場跡
大阪球場の跡地は、なんばパークスになっています。
大阪球場のホームベースとピッチャーマウンドが存在していた場所には、現在も、メモリアルプレートが設置され、大阪球場が存在していたことを偲ばせてくれます。
関西といえば、甲子園や大阪ドームを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、私の中では、南海なんば駅にあった大阪球場が、未だにずっと輝き続けているのです…。