フリーランスとして知っておくべき「有限責任」と「無限責任」の話!

私は、コンサルティング会社を退職後、個人事業主を経て、小さな合同会社を立ち上げました。

芸能人風に、かっこよく言えば

「フリーとして独立した」

ということになります。

しかし、フリーとして「自由」を獲得した以上、それだけ「責任」というものが発生します。

今回は、この「責任」というものについて、少し見ていきたいと思います。

無限責任と有限責任の違い

一般的に、フリー(ランス)といっても、

①個人事業主として活動する人
②法人を立ち上げて活動する人

の2種類があります。

①個人事業主は、文字通り、個人として活動する人のことを指します。

特にややこしい手続きもなく自由に活動できますので、シンプルですよね。

しかし、「無限責任」を負うことになっています。

②法人を立ち上げて活動すると、法人設立のややこしい手続きがつきまといます。

しかし、「有限責任」となっています。(本記事における法人は、株式会社合同会社を想定)

中小企業診断士などの資格試験では、次にように覚えます。

「債権者に対して、個人事業主は無限責任、法人は有限責任を負う」

この表現だけを聞くと、個人事業主の「無限責任」というのはなんとなく恐ろしいイメージを持ちませんか?

逆に、法人を立ち上げさえすれば、責任は有限になるので、安心・安全だと、私は認識していました。

有限責任とは、その法人が倒産したときに、出資した金額を限度として責任を負うということです。

具体的に言えば、資本金100万円、負債5000万円で、法人を倒産させても、資本金100万円の範囲だけしか責任を負わないことになっているのです。

無限責任の個人事業主であれば、資本金の概念がありません。

負債5000万円の場合、個人の財産から持ち出し、支払うことができなければ、自己破産の道をたどることになります。

しかし、実態はどうなのでしょうか?

有限責任の罠

法人を立ち上げると、それなりに現金が湯水のように出て行きます。

さまざまな支出が、すべて売上の範囲内でカバーできるのであれば、問題ありません。

しかし、経営はそう簡単にはいきません。

普通は、何らかの形で、銀行などの金融機関から借入を行います。

お金が不足しているから借りるというケースもありますし、不動産投資のように、戦略的に借りるケースもあります。

ようは、経営に借入金はつきものなのです。

仮に、あなたが小さな法人の経営者(社長)だったとしましょう。

経営していくうちに、金融機関からお金を借りる必要がでてきたとします。

この場合、小さな法人や、まだあまり信用がない法人に関しては、社長個人が連帯保証人にならないと、お金を借りることができないケースが多いのです。

ようは、法人としては有限責任の形をとっていますが、借入金については、連帯保証人が無限責任である個人となるため、実質は無限責任となっているケースが多いのです。

実際、法人の経営者が自己破産するケースをよく見かけますよね。

法人設立のメリット

では、「責任」の観点について、個人事業主が法人成りすることに意味はないのでしょうか?

実はそうでもありません。

確かに、小さな法人の経営者(オーナー社長)は個人と一体化して評価されることが多いです。

しかし、

・法人が実績をあげてきた場合
・縁故などで信用が上がった場合
・有事の場合

など、法人経営をしていく際には、連帯保証の必要のない借入をするケースもでてきます。

この場合、法人化しておくことで、責任が、個人の財産までに及ぶことはなくなります。

つまり、

「法人化したら、責任は出資した範囲だけになるので安全!」

と、教科書通り、安易に考えるのではなく、実務的には、

「法人化したら、個人保証をつけなかった場合に限り、有限責任となる!」

くらいの心づもりで経営していくことが重要なのです。

法人化については、他にもさまざまなメリットがあります。

個人事業主として活動している人は、一度、立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。