千里中央駅と桃山台駅の間に存在する謎のトンネルの秘密とは?

大阪の背骨と言われる地下鉄御堂筋線。

南の終点はなかもず駅ですが、北の終点は一体どこでしょうか?

千里中央駅!

…と答える人が多いですよね。

しかし、正確には、御堂筋線の北の終点は江坂駅で、江坂駅から千里中央駅までは北大阪急行線となっているのです。

北大阪急行線は初乗り運賃100円を誇る地元密着の鉄道なのです。

ここだけ見ると、激安に見えますが、御堂筋線と乗り継ぐ場合、運賃は結構高めになることには注意しておきましょう。

千里中央駅近くの謎のトンネル

さて、本題に入ります。

この北大阪急行線の、千里中央駅と桃山台駅の間に、謎の空間(トンネル)があるのをご存知でしょうか?

地下なので、非常に見つけにくいですが、千里中央駅へ向かう際、千里中央駅のすぐ手前あたりで社窓をよく見てください。

薄暗いですが、右手(東側)にかすかにトンネルを確認することができます。

壁の色も古いため、新しく建設中のトンネルではなさそうに見えます。

この謎のトンネルは、一体、どこへつながっているのでしょうか?

謎のトンネルの正体

実は、この謎のトンネルの正体は、廃線跡になります。

廃線跡?

ということは、昔、御堂筋線には、何か別の地下鉄が接続していたのでしょうか?

その秘密は、大阪万博にありました。

北大阪急行は、開業当時、この謎のトンネルが本線になっていたのです。

桃山台駅の先には、初代・千里中央駅、そのまた先に万博中央口駅があったのです。

初代・千里中央駅があった場所は、上新田橋あたりで、現在、中国自動車道が走っています。

探してみましたが、跡形と思われるものは何も残されていませんでした。

北大阪急行線は、1970年に開催された大阪万博への交通手段として建設されました。

当時は、東海道新幹線の新大阪駅から地下鉄御堂筋線を経由して、万博会場に乗り換えなしで行けるようになっていました。

この便利さが評判となって、当初は赤字だと予想されていたにもかかわらず、万博輸送のみで建設費を返済できたと言われています。

そして、万博終了後、万博中央口駅と初代・千里中央駅は廃止されました。

その後、千里ニュータウンに近い現在の場所に千里中央駅を移転し、通勤路線・大阪の大動脈の起点となりました。

この施策は成功していて、北大阪急行は、現在も黒字経営が続いています。

箕面方面への延伸

北大阪急行線について言えば、現在の終点である千里中央駅から箕面方面への延伸がすでに決定しています。

2020年の開業を目指して、「箕面萱野駅(終点)」「箕面船場阪大前駅」ができる予定なのです。

箕面市の長年の願望がかなった形ともいえますが、実際にこれらの新駅が開業すると、大阪北部エリアの発展に大きな影響がありそうです。

阪急箕面線の箕面駅周辺は住宅地としても人気が高いエリアなのは有名です。

しかし「箕面萱野駅」周辺は鉄道アクセスの空白地帯で、バス便が中心のエリアとなっています。

ここに「箕面萱野駅」ができれば、住宅地としての人気もグッと高まるはずです。

「箕面萱野駅」にはバスターミナルも整備される予定で、周辺のバス路線再編も想定されています。

東部の新興住宅地・小野原エリアなどへもアクセスが改善されることになりそうです。

「箕面船場阪大前駅」にも、大阪大学の移転が決まっており、学生や留学生で賑わうことも容易に想像できます。

新名神高速道路の開発

もうひとつ、このエリアにはインパクトのある計画が遂行されています。

2019年3月に開通した新名神高速道路との接続です。

「箕面萱野駅」から車で新御堂筋を北に進むと、北摂最大のトンネル「箕面グリーンロード」のトンネルに直面します。

この巨大トンネルを抜ければ、箕面インターチェンジを経て、新名神高速道路と結ばれています。

以前、中国道の宝塚トンネル付近は渋滞の名所でした。

新名神高速道路はこの宝塚トンネルを迂回し、中国道・山陽道方面と名古屋・東京方面を直接結ぶ、画期的な迂回路となりつつあります。

その新名神高速道路から大阪都心部への直通ルート上に位置するのが、箕面エリアなのです。

2025年には大阪夢洲で万博が開催されます。

これに伴い、大阪ベイエリアが発展し、近い将来、大阪北部エリアのポジションは大きく変化・発展していくのではないでしょうか。