2001年に開園し、大阪を代表するテーマパークとなったユニバーサルスタジオジャパン(USJ)。
大阪以外の人でも、知らない人は、もうほとんどいないのではないでしょうか。
現在、電車でUSJに行くためには、大阪環状線の西九条駅から分岐するJRゆめ咲線に乗っていくことになります。
ゆめ咲線:「西九条駅 → 安治川口駅 → ユニバーサルシティ駅 → 桜島駅」
ん?
終点は、ユニバーサルシティではなく、桜島駅になっています。
USJへ行く路線なのに、なぜ、終点は桜島駅になっているのでしょうか?
桜島線からゆめ咲線へ
USJが開園する以前、この地域には、桜島線という路線が存在していました。
桜島線は、臨海部の工場地帯の通勤や、貨物路線としての役割が強く、休日や昼間は閑散とした路線でした。
桜島線:「西九条駅 → 安治川口駅 → 桜島駅」
しかし、USJの開園により、路線の役割は大きく変化することになりました。
USJを作るために、桜島線の線路は全体的に300mほど南へ移設され、開園と同時に、安治川口駅と桜島駅の間に、ユニバーサルシティ駅をオープンさせたのです。
地味な路線だった桜島線は、華やかな路線へ、イメージを一転させることに成功したのでした。
桜島駅の移転
桜島線は、埋め立ての島に渡る路線となっていたため、安治川口駅と桜島駅の間には、桜島線の名物となっていた可動橋がありました。
運河の上を電車が通っていたのです。
想像しにくいかもしれませんが、この運河は、現在のUSJのエントランス広場にありました。
現在、この運河は完全に埋め立てられており、面影は全くありません。
可動橋もこの広場付近にありました。
そして、この可動橋を過ぎたあたり、つまり、現在のUSJの内部に、桜島線の終点である桜島駅は存在していました。
USJのメインストリートが、だいたい桜島線の線路跡になります。
そして、USJの中央部にあるラグーン、ジュラシックパークエリアのロンバーズ・ランディングこそが、かつての桜島駅の跡地になります。
誰もここに駅があったとは気づかないと思いますが…。
桜島線は、桜島駅が終点ではなく、さらに西のほうへ貨物線が伸びていました。
USJの開園とともに、桜島駅は南への移転を余儀なくされました。
この移転された駅こそが、現在の桜島駅になります。
現在の桜島駅は、桜島団地のほか、大型工場があり、阪神高速湾岸線が近くを通っています。
海のほうを見渡すと、海遊館や天保山を眺めることもできます。
おそらく、この桜島駅は、将来、大阪府咲洲庁舎(旧ワールドトレードセンター)へ延伸する構想もあるので、残されているのでしょう。
通勤路線から観光路線に役割を180度変え、大きな変貌を遂げた桜島線。
その路線名すら、今は懐かしいものとなりましたが、桜島駅はきちんと残されています。
2025年には大阪万博も開催される大阪ベイエリア。
この地域は、大阪の新しい顔として、大きく変化してきています。
この先、どのような変化を遂げ、我々に夢を与えてくれるのでしょうか?